
〜傾斜マンション事故から半年が過ぎて〜 横浜傾斜マンションの事故(2015年10月発覚)から、半年が過ぎた。 事故直後の11月、メディアで杭基礎の施工管理、支持層確認の不手際が報道される中、「建築基礎構造設計のための地盤評価・Q&A」(2015年11月25日 第1版)が出版された。 この書籍では、支持層の不陸、傾斜に関する考え方を述べ、適切な調査本数の考え方などが記述されている。ここに示される考え方で調査、設計、施工を行っていれば、このような騒ぎにはならなかったと思うと、実に皮肉なタイミングであった。 事故以来、地盤調査のボーリング本数について、様々な対応があったように思う。ときに過剰とも思える調査を行い、別案件では過小な数量で済ませたり。 適切な調査数量は、リスク管理の考え方によって変わるため、一概にはいえない。しかし、事前に資料収集し、基本的な地質構成、構造(形成過程)を理解しないと、適切な調査数量は決められない。 調査数量を決定した根拠と、そのリスクを明確にすることが重要だと、改めて思う次第である。 (2016.05.20 技術部M) |